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GL肝癌診療ガイドライン2021年版
GL肝内胆管癌診療ガイドライン2021年版
GL転移性肝がん診療ガイドライン(2021)
ニュートピックス
・「肝内胆管癌診療ガイドライン2021年版」および「転移性肝がん診療ガイドライン」の初版が公表された.
治療のポイント
・肝切除は肝細胞癌(肝癌)に対して最も根治的な治療である.
・肝癌に対する肝移植は,腫瘍そのものの摘出と同時に発癌母地となっている肝硬変を治療することが可能な,理論的に優れた治療法である.
・肝切除を基本とする外科治療が肝内胆管癌に対する唯一の根治的治療法である.
・転移性肝癌の治療はその原発巣によって異なる.大腸癌肝転移に関して,治癒切除が可能と判断される場合,肝切除は標準治療である.その他,卵巣癌肝転移,消化器原発神経内分泌腫瘍肝転移(grade 1もしくはgrade 2)も適応である.その他の転移性肝癌も集学的治療の一環として肝切除が適応となることがある.
◆病態と診断
A病態
・原発性肝癌は肝細胞癌(90.1%)と肝内胆管癌(6.9%)に大別される.
・肝癌は一般には無症状であるが,門脈腫瘍栓をはじめとする血管侵襲により病状は進行し予後不良となる.
・肝内胆管癌の予後不良因子は,多発,リンパ節転移である.
・大腸癌肝転移に対する肝切除における再発予測因子は,腫瘍個数,腫瘍の最大径,同時性か異時性か,肝外転移の有無,原発巣におけるリンパ節転移の有無などである.
B診断
・肝腫瘍の存在診断,質的診断には造影超音波検査,造影MRI検査が優れている.
・肝外転移の有無の診断には,胸部CTおよびFDG-PETを用いる.
・特に複雑な肝切除には,dynamic CTから作成された3Dシミュレーション画像が手術のプランニングに有用である.
◆治療方針
原発性肝癌および転移性肝癌において,最も治癒が期待できる治療法は肝切除である.また,腫瘍の大き