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GLエビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 改訂第3版(2019)
治療のポイント
・胆道腫瘍とは,胆嚢に発生する胆嚢腫瘍,胆管に発生する胆管腫瘍,十二指腸乳頭部に発生する十二指腸乳頭部腫瘍の3つに大別される.これらはまれな腫瘍を除くと組織学的には多くが腺癌であり,胆道癌と総称される.
・胆道癌に対しては外科切除がゴールドスタンダードであり,まず外科治療の可否を判断することが重要である.
・切除可能かどうかの判断は,経験豊富な診断医と治療医の連携が必要で,また術前処置としての胆道ドレナージや術中迅速病理診断などの専門的技術が不可欠なため,いわゆるハイボリュームセンターで診断・治療が行われることが望ましい.
・近年,胆道癌の遺伝子異常に対する分子標的薬が開発され,標準療法不応の胆道癌の一部にペミガチニブなどの新規分子標的治療が行われるようになった.
Ⅰ.胆嚢癌
◆病態と診断
・胆嚢は胆汁の傍流に位置するため黄疸を発症しにくく,また症状に乏しいことから進行癌で発見される場合が多い.その一方で,腹部超音波検査において胆嚢ポリープとして発見される症例や,胆石症などで胆嚢摘出術を施行した際の切除標本に偶然,癌が発見されることもしばしば経験する.
・胆嚢ポリープは大きさ10mm以上,広基性,充実性低エコー,増大傾向があれば胆嚢癌の可能性があり,胆嚢摘出術が勧められる.
・胆嚢癌の治療方針は,胆嚢壁への深達度により大きく異なるため,術前診断において深達度,リンパ節転移の有無,肝直接浸潤の有無などから進行度を決定し治療方針を立てることが重要である.壁深達度診断には超音波内視鏡(EUS)が有用である.
・切除後に判明した胆嚢癌は,全割標本により壁深達度を確定し,pT2以上の深達度であれば,肝切除やリンパ節郭清などの追加手術を行う.
◆治療方針
AT1胆嚢癌(深達度mまたはmpの癌)
胆嚢摘出術のみで