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GL急性膵炎診療ガイドライン2021(第5版)
治療のポイント
・Pancreatitis Bundles 2021を遵守した治療を心がける.
・診断時には成因診断を行い,安易に特発性としてはいけない.
・診断48時間以内は重症度判定の予後因子スコアの評価を繰り返し行う.
・初期輸液には緩衝液が推奨される.
・軽症急性膵炎では疼痛が持続していても腸蠕動が回復すれば,経口摂取が可能である.
・重症急性膵炎では,腸管合併症などの禁忌条件がない限り入院後48時間以内に経腸栄養を少量からでも開始することを心がける.
・DICと診断された時点で,すみやかにDIC治療を開始することが望ましい.
・感染性膵壊死ではステップアップ・アプローチが有用と考えられる.
◆病態と診断
A病態
・急性膵炎はトリプシノーゲンの膵内活性化により生成されたトリプシンが連鎖的に他の膵酵素を活性化することで膵が自己消化されることで発症すると考えられている.
・ウイルスや細菌の感染による発症はきわめてまれであり,急性膵炎のほとんどは無菌的に発症すると考えられている.
B疫学
・日本での急性膵炎の発生頻度は人口10万人あたり61.8人と推計されており,男女比は約2:1,平均発症年齢は男性59.9歳,女性66.5歳である.
・成因は,男性ではアルコール性(42.8%),胆石性(19.8%),特発性(16.2%)の順で,女性では胆石性(37.7%),特発性(24.8%),アルコール性(12.0%)の順である.その他の成因としては,膵腫瘍,手術後,内視鏡的逆行性胆管膵管造影後,脂質異常症,遺伝性・家族性,膵管非癒合,薬物性などがある.
C予後
・急性膵炎は重症度判定により,軽症と重症に分類される.全国調査によれば,急性膵炎全体の致命率は1.8%であったが,重症と判定された場合の致命率は6.1%となっている.
・重症急性膵炎の診断がCT Gra
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