AHBVキャリアの指導,管理
HBVキャリア(HBV持続感染者)の病態は,宿主の免疫応答とウイルスの増殖の状態により「無症候性キャリア」「慢性肝炎(HBe抗原陰性・陽性)」「肝硬変」「非活動性キャリア」までさまざまな臨床病期をとる.
本邦における,HBVキャリアの大半は母子感染であるが,近年になり成人期にゲノタイプA型のHBVによる急性肝炎から慢性化する症例が増加傾向である.
成人期の感染は主に性交渉によるものであり,パートナーがB型肝炎ワクチン未接種であればワクチン接種を勧めるべきである(保険適用なし).日常生活においては,血液を介して感染するため,歯ブラシ,カミソリなどを共用しないことが重要となる.
成人期の急性B型肝炎症例においては,HIVと重複感染していないかを必ずチェックするべきである.HIV抗体の測定は必ずしも文書同意は必要とならないが,必ず口頭同意を得たことをカルテに記載して