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治療のポイント
・血清K異常症は,病態生理を理解することが重要である.
・血清K濃度は,細胞内外の移動と尿中への排泄という2つのメカニズムで調整されている.
・高K血症は,腎機能低下やRAA系阻害薬服用が原因になっていることが多い.
・慢性の低K血症は,酸塩基平衡異常を伴い,腎排泄の増加によることが多い.
Ⅰ.高K血症
◆病態と診断
・血清K5.5mEq/L以上のことをいう.K摂取過剰のみでは高K血症は発症しない.腎機能が低下している,もしくは,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系阻害薬を内服している場合に起こりやすい.特に,近年,慢性腎臓病や心不全におけるRAA系阻害薬の有用性が明らかになり,薬剤性の慢性高K血症がよくみられる.
◆治療方針
徐脈などの心電図異常があるか,血清K7mEq/L以上の場合には,緊急処置が必要である.
A緊急処置が必要な場合
Px処方例 まず1)を,続けて2)を用いる.血液透析が実施できる施設であれば,3)を行い,そうでなければ,4)を用いる.
1)グルコン酸カルシウム(カルチコール薬)注 1回10mL 3分以上かけて静注保外
グルコン酸カルシウムには心筋の膜の安定化があり,高K血症による不整脈を抑制する.数分で効果が発現する.
インスリンはKの細胞内へのシフトを促進する.15~30分で効果が発現する.
3)血液透析
最も効果的に血清K濃度を下げる.
4)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ケイキサレート薬)散 1回30~60gを微温湯200mLに溶解 注腸
陽イオン交換樹脂はKの便中への排泄を促す.
B慢性の高K血症の治療
従来から用いられている陽イオン交換樹脂に加え,効果の高いジルコニウムシクロケイ酸ナトリウムが登場した.
Px処方例 下記の
関連リンク
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