今日の診療
治療指針

高K血症,低K血症
hyperkalemia,hypokalemia
門川俊明
(慶應義塾大学教授・医学教育統轄センター)

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治療のポイント

・血清K異常症は,病態生理を理解することが重要である.

・血清K濃度は,細胞内外の移動と尿中への排泄という2つのメカニズムで調整されている.

・高K血症は,腎機能低下やRAA系阻害薬服用が原因になっていることが多い.

・慢性の低K血症は,酸塩基平衡異常を伴い,腎排泄の増加によることが多い.

Ⅰ.高K血症

◆病態と診断

・血清K5.5mEq/L以上のことをいう.K摂取過剰のみでは高K血症は発症しない.腎機能が低下している,もしくは,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系阻害薬を内服している場合に起こりやすい.特に,近年,慢性腎臓病や心不全におけるRAA系阻害薬の有用性が明らかになり,薬剤性の慢性高K血症がよくみられる.

◆治療方針

 徐脈などの心電図異常があるか,血清K7mEq/L以上の場合には,緊急処置が必要である.

A緊急処置が必要な場合

Px処方例 まず1)を,続

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