今日の診療
治療指針

二次性貧血
secondary anemia
石川隆之
(神戸市立医療センター中央市民病院・血液内科部長)

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治療のポイント

・平均赤血球容積(MCV)によらず血清鉄,不飽和鉄結合能,血清フェリチン値,葉酸値,血清ビタミンB12 値を測定し,欠乏状態にあれば補充する.

・基礎疾患の治療により貧血の改善が得られる場合がある.

・がん患者では複合的要因により貧血をきたしていることが多い.

◆病態と診断

A病態

・造血幹細胞や骨髄の微小環境には異常がないが,何らかの基礎疾患により続発性に貧血をきたした状態である.

・基礎疾患には,慢性炎症性疾患(関節リウマチ,リウマチ性多発筋痛症,炎症性腸疾患,キャッスルマン病など),慢性の感染症(抗酸菌感染症など),悪性腫瘍,内分泌疾患(甲状腺機能低下症,アジソン病),腎疾患,肝臓疾患などがあり,薬剤投与やアルコール過量摂取が原因となることもある.

・慢性炎症性疾患においては,炎症性サイトカインによりヘプシジン産生が増加し,鉄利用が障害され小球性貧血となる.

・感染症や悪

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