頻度 あまりみない
GL造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版補訂版
ニュートピックス
・70歳以下のアグレッシブATL患者では,近年同種移植を施行する割合が増加し,生存率が改善した.また,移植非適応例の患者においても新規薬剤の使用によって生存率が改善している.さらにATL細胞の分子異常に対する新規薬剤が加わりつつある.
治療のポイント
・アグレッシブATLとインドレントATLでは治療方針が異なる.
・70歳以下のアグレッシブATLで化学療法により病勢のコントロールが得られ,一般状態が保たれている場合は同種造血幹細胞移植を優先する.
・移植非適応例については,新規薬剤を組み合わせた治療を行う.
・ATLの発症年齢が高齢化しているので,QOLを考慮して治療を行う.
◆病態と診断
A病態
・成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)は,成人T細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1:human T-cell leukemia virus type 1)が原因で発症する白血病・リンパ腫である.基本的にはリンパ腫であるが,容易に白血病化する.
・リンパ節腫大が最も多いが,皮膚病変,消化管病変,骨病変など全身の諸臓器に病変を形成することが多い.
・血清LDH上昇,可溶性インターロイキン-2レセプターの上昇,高Ca血症が高頻度である.
・免疫能低下による日和見感染症を高頻度に合併する.
B診断
・診断は,血清抗HTLV-1抗体陽性が必須で,腫瘍細胞の成熟T細胞マーカー(CD3,4,25,CADM1陽性)の証明,腫瘍細胞中のHTLV-1プロウイルスのモノクローナルな組み込みを証明する.
◆治療方針
アグレッシブタイプ(急性型,リンパ腫型,予後不良慢性型)は,早急に治療を開始する.インドレントタイプ(予後良好慢性型,くすぶり型)は,基本的には経過観察であるが,皮膚症状などがあれば,皮膚科的に治療を行う(図).
AアグレッシブATL
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