今日の診療
治療指針

非ホジキンリンパ腫
non-Hodgkin lymphoma(NHL)
山口素子
(三重大学大学院教授・先進血液腫瘍学)

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GL造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版

ニュートピックス

・2022年,微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体薬ポラツズマブ ベドチン併用R-CHP療法が,初発のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療選択肢に加わった.

治療のポイント

・正確な病型診断が治療成功の鍵であり,リンパ腫が疑われた時点から専門医と連携する.

・WHO分類に基づいて診断し,日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版」を参照して治療を行う.

・悪性腫瘍のなかでは治療反応性がよく,予定通り治療が遂行できるよう,支持療法を適切に行う.

◆病態と診断

A病態

・非ホジキンリンパ腫(NHL)は悪性リンパ腫のうちホジキンリンパ腫を除いたものの総称で,90以上の病型からなる疾患群である.わが国では悪性リンパ腫は年間3万人以上が新たに診断され,その約95%がNHLであり,B細胞リンパ腫とT/NK細胞リンパ腫に大別される.

・全身のあらゆる部位から発生し,病型と部位に応じて特徴的な病態を呈する.

B診断

・腫大リンパ節または腫瘍の生検を行う.

WHO分類に基づく病型診断のため,病理学的検査のほか,フローサイトメトリーによる細胞表面抗原検査,細胞遺伝学検査(染色体検査,fluorescent in situ hybridization),さらに必要に応じて遺伝子検査に検体を提出する.

C治療前評価

・頸部~骨盤部CT,FDG-PET,骨髄検査,上部消化管検査のほか,病変部位に応じた検査を行う.

・病期決定はAnn Arbor分類またはLugano分類(2014年)に準じて行う.

・並行して臓器機能評価のための検査(心電図,心エコー,腎機能検査,血中酸素飽和度測定,肝炎ウイルス検査,耐糖能検査など),病勢マーカーとして可溶性IL-2レセプターの測定も行う.

◆治療方針

 WHO分類の病型,病期,病

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