頻度 あまりみない
GL小児HLH診療ガイドライン2020 vr.1.0
GL慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン 2016
ニュートピックス
・原発性血球貪食性リンパ組織球症に対する抗インターフェロンγ抗体emapalumabの有用性が報告され,米国など海外で承認された.本邦は未承認であるが,今後の治療選択肢として期待される.
治療のポイント
・原発性HLHでは,初期治療としてステロイドとエトポシドを用いた治療を行う.多くが同種造血幹細胞移植の対象となる.
・2次性HLHは基礎疾患に準じた治療を行う.
・HLHの原因により治療が異なるため,患者の年齢や基礎疾患に応じて適切な方針を決定する.
◆病態と診断
A病態
・血球貪食症候群(HPS)もしくは血球貪食性リンパ組織球症(HLH)は,骨髄,リンパ節,肝臓,脾臓などにおいて,活性化したマクロファージなどの組織球が血液細胞を貪食し,発熱とともに著明な血球減少が生じる重篤な疾患である.
・遺伝子異常を背景に生じる原発性HLHと,悪性腫瘍(リンパ腫など),感染症(ウイルス感染など),自己免疫性疾患などに伴う2次性HLH(続発性)がある.
・15歳未満のHLHの15~19%が原発性である.
B診断
・HLH-2004診断基準に基づいて診断する.
1)家族性HLHに一致した分子異常を有する.
2)以下の8項目のうち5項目を満たす:①発熱,②脾腫,③血球減少(Hb9g/dL未満,血小板数10万/μL未満,好中球数1,000/μL未満,のうち2項目以上),④高中性脂肪血症および/または低フィブリノゲン血症,⑤骨髄または脾臓あるいはリンパ節の血球貪食像,⑥NK細胞活性の低下や欠失,⑦フェリチン500μg/L以上,⑧sCD25(sIL-2R)2,400U/mL以上.
◆治療方針
初期治療としては,HLH-94またはHLH-2004治療プロトコールに準じて
関連リンク
- 治療薬マニュアル2023/デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム《オルガドロン デカドロン》
- 治療薬マニュアル2023/エトポシド《ベプシド ラステット》
- 治療薬マニュアル2023/シクロスポリン《サンディミュン》
- 今日の治療指針2023年版/赤芽球癆
- 今日の治療指針2023年版/成人T細胞白血病・リンパ腫
- 臨床検査データブック 2023-2024/免疫グロブリンD〔IgD〕 [保] 38点
- 新臨床内科学 第10版/(3)肝梅毒
- 新臨床内科学 第10版/【4】血球貪食性リンパ組織球症
- 新臨床内科学 第10版/23 ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)感染症
- 新臨床内科学 第10版/8 キャッスルマン病
- 今日の診断指針 第8版/血球貪食性リンパ組織球症・血球貪食症候群
- 今日の小児治療指針 第17版/血球貪食症候群