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GL糖尿病診療ガイドライン2019
GL高齢者糖尿病診療ガイドライン2017
治療のポイント
・患者の身体機能,併存疾患,認知機能,社会サポート状況を個々に評価して対応する.
・食事,運動療法においてはフレイル・サルコペニア予防を考慮する.
・重症低血糖に注意し,低血糖リスクの少ない薬剤を選択する.
・シックデイ対策を行い,介護者にも伝えておく.
◆病態と診断
A病態
・膵β細胞の機能低下,骨格筋量低下,身体活動量低下などが血糖上昇に寄与する.
・肥満を伴わないものや低栄養,フレイル・サルコペニアの頻度も高い.
・認知機能低下や臓器の機能低下,合併症の進行,多くの併存疾患を伴ったものが多い.
・食後高血糖を伴うものが多い.
・無自覚性低血糖や,典型的な低血糖を呈さないものが多い.また重症低血糖をきたすものも多い.
B診断
・高齢者でも糖尿病の診断は若年者と同様である(→,「2型糖尿病」の項参照).
・急激な体重減少を伴う血糖上昇は悪性腫瘍が原因のことがあり,検索を行う.
・最近,高齢の1型糖尿病も増えている.2型と思われても抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)抗体陽性の緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM:slowly progressive insulin-dependent diabetes mellitus)のことがあり注意する.
・治療目標の決定や介入のため,患者の身体機能,認知機能,心理状態,栄養,薬剤,社会・経済状況の評価を行う〔高齢者総合機能評価(CGA:comprehensive geriatric assessment)〕.さまざまなCGAのツールが開発されている.
◆治療方針
高齢者糖尿病治療の目的は,非糖尿病者と変わらない健康寿命の維持である.このため,血管合併症予防のみならず,認知機能,ADL,転倒・骨折などの予防も考慮した治療を行う.詳細は「高齢者糖尿病診療ガイドライン
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