今日の診療
治療指針

血糖自己測定・持続血糖測定の指導
facilitating self-monitoring of blood glucose(SMBG),continuous glucose monitoring(CGM)
大西由希子
(朝日生命成人病研究所附属医院・糖尿病内科治験部長(東京))

ニュートピックス

・2021年2月より,CGMでFreeStyleリブレのスマートフォンアプリが利用できるようになり,リーダーの代わりにスマートフォンでCGMの値を確認できるようになった.また,クラウド型データ管理システム「リブレView」を通じてデータを医療機関と自動共有できるようになった.

治療のポイント

・SMBGの目的は,①日常生活における血糖変動の要因の把握,②低血糖・高血糖を疑うときの血糖値の確認,③シックデイ対応時の血糖値確認,である.

・CGMの目的(糖尿病専門医に依頼)は,①SMBGでは測定できなかった連続的な血糖変動の把握,②急激な血糖変動をリアルタイムで把握することによる早めの対処,③低血糖あるいは高血糖の予測・警告,である(機種による).

ASMBG

 自身が測定する機器で糖尿病の注射治療(インスリンおよびGLP-1受容体作動注射薬)中の患者や,妊娠中の糖尿病の一部の人に医療保険が適用される.指先を穿刺器具で穿刺し,毛細血管からの全血を検体とするが,静脈血漿値に換算された数値が表示される.測定は1μL以下の血液量で,測定時間は5~10秒程度,測定範囲は10~600mg/dL,血漿測定による血糖値との誤差は最大2割程度,などの機種がほとんどである.

1.治療方針

 インスリン導入と同時にSMBGを導入し,1日1~2回(食前または就寝前など)測定することでインスリン量の調整などの参考とするとともに,低血糖や高血糖の確認の際にも活用する.また食事内容や運動量なども血糖測定値と同時に記録していくと生活習慣と血糖変動の関連の理解が深まる.日本糖尿病協会の編集した自己管理ノートは,複写になっていて患者が記録したものを外来で回収することができる.

2.注意点

 静脈血漿での自動化学分析機器によるヘキソキナーゼ法と比較するとSMBGによる血糖値は誤差が生じやすい.例えば,消毒後に十分乾

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