今日の診療
治療指針

甲状腺機能低下症
hypothyroidism(myxedema)
山田正信
(群馬大学大学院教授・内分泌代謝内科学)

頻度 よくみる

GL甲状腺疾患診断ガイドライン2021(2022年6月2日改定)

GL粘液水腫性昏睡の診断基準(3次案)(2010)

ニュートピックス

・甲状腺ホルモン薬はほかの製剤(経口GLP-1など)との併用に注意が必要.

治療のポイント

・甲状腺ホルモン薬は少量から漸増する.

・副腎皮質機能低下症の合併例では,必ず副腎皮質ホルモンの補充を先に開始する.

・粘液水腫性昏睡を疑った場合,ICU管理により直ちに治療を開始する.

◆病態と診断

A病態

・甲状腺機能低下症は,甲状腺ホルモンの合成や分泌障害,作用機構の障害により身体に必要な甲状腺ホルモンの作用が低下した病態である.

・多くが甲状腺を原因とする原発性甲状腺機能低下症であり,特に慢性甲状腺炎(橋本病)が多い.亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎の回復期にも甲状腺機能低下症が発症することがあり,さらに近年チロシンキナーゼ阻害薬免疫チェックポイント阻害薬による甲状

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら