Ⅰ.乳管内乳頭腫
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◆病態と診断
A病態
・乳管内乳頭腫は,乳管内上皮が乳頭状構造を呈して増殖する良性腫瘍であり,血性乳頭分泌の原因として最も頻度が高い疾患である.
・30~50歳代にかけて好発する.
・乳頭近くの太い乳管に生じる中枢型と乳腺末梢に多発する末梢型がある.中枢型は孤立性が多く,乳管が嚢胞状に拡張したものは嚢胞性乳頭腫とも呼称される.末梢型はしばしば多発性で中枢型よりも若年者に多く,無症状のことも多い.
B診断
・乳管内乳頭腫は基本的には良性疾患であるが,異型乳管過形成や非浸潤癌を合併する乳頭腫が存在する.末梢型にその傾向が強いとされ臨床的に注意を要する.
・分泌物の細胞診やCEA濃度測定は,感度は低い.このため確定診断には組織診が必要となる.
・腫瘤や石灰化を呈し画像検査にて病変が同定できる場合は,画像診断装置ガイド下の針生検の適応となる.
・血性乳頭分泌を認めてもマンモグラフィや超