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GLアレルギー総合ガイドライン2019
ニュートピックス
・2020年に公表された「世界アレルギー機構アナフィラキシーガイダンス2020」で,アナフィラキシーの診断基準が一部変更された.
治療のポイント
・詳細な問診,アレルゲン特異的IgE抗体検査や皮膚テスト,皮膚マスト細胞症の病変検査などにより誘因を特定する.
・誘因が特定したのち,誘因の回避方法を適切に指導する.
・アナフィラキシーの治療後には,再発時の対応のためにアドレナリン自己注射薬を処方し,患者および家族に使用方法,使用すべき症状を説明し,指導する.
・誘因の特定が困難な場合や免疫療法などを考慮する場合には,アレルギー専門医へ紹介する.
◆病態と診断
A病態
・アナフィラキシーは,最も重症な急性の全身性アレルギー反応である.
・発症機序は複数あるが,最も典型的なものは,IgEが関与するタイプである.
・IgEが関与しないタイプには,補体系などの免疫学的機序が関与しているものと,マスト細胞を直接活性化させる非免疫学的機序がある.
・これらとは別に,アナフィラキシーの誘因が特定できないときには,特発性に分類される.
B診断
・以下の2つの基準のいずれかを満たす場合,アナフィラキシーと診断する.
1)皮膚,粘膜組織,またはその両方の症状(全身性のじん麻疹,瘙痒または紅潮,口唇・舌・口蓋垂の腫脹など)が急速に(数分~数時間で)発症した場合
a)呼吸不全(呼吸困難,呼気性喘鳴・気管支攣縮,吸気性喘鳴,ピークフロー低下,低酸素血症など)
b)血圧低下※1 または臓器不全に伴う症状〔筋緊張低下(虚脱),湿疹,失禁など〕
c)重度の消化器症状(重度のけいれん性腹痛,反復性嘔吐など),特に食物以外のアレルゲンへの曝露後
2)典型的な皮膚症状を伴わなくても,当該患者にとって既知のアレルゲンまたはアレルゲンの可能性がきわめて高いものに曝露されたあと,血圧低下ま