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治療のポイント
・原因アレルゲンの回避が重要である.
・アナフィラキシーの際にはアドレナリン筋注をすみやかに行う.
◆病態と診断
A病態
・昆虫の体成分により誘発されるアレルギー反応の総称で,経路から吸入による経気道性と,刺咬や接触による経皮膚性に大別される.
1.経気道性昆虫アレルギー
・屋外環境アレルゲンと室内環境アレルゲンに大別され,屋外の代表例がチョウ,ガ,ユスリカ,トビケラであり,室内の代表例が,ゴキブリ,メイガ,コイガ,チャタテムシである.
・本邦では屋外はガ,屋内はチャタテムシが環境アレルゲンとして重要である.
・気管支喘息患者は昆虫アレルゲンに対する抗体反応陽性率がスギ,ダニに次いで高率である.
・職業性として,養蚕業での養蚕喘息や水産加工業者のユスリカアレルギーなどがある.
2.経皮性昆虫アレルギー
・代表例が刺咬によるものはハチ,カ,アリ,接触によるものとして毒蛾や毛虫であり,局所の直接的な組織障害と全身性のアレルギー反応を引き起こす.
・特にハチ刺咬症はアナフィラキシーショックへと発展するケースがあり重要である.
・アレルゲンによるⅠ型アレルギー反応以外に,化学刺激による直接的な局所反応や全身反応が併存する.
・近年,カ刺傷の重症化にEBウイルス感染が関与するとの報告がある.
B診断
・詳細な問診と血液中の特異的IgE抗体測定により診断する.
・特異的IgE抗体価は昆虫によって感度,特異度が異なる.またハチ抗体価は刺傷後の経過時間によって陰性化することもあり,問診結果と併せて総合的に診断する必要がある.
◆治療方針
A経気道性昆虫アレルギー
気管支喘息やアレルギー性鼻炎を生じる場合には,日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン2021」や鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会「鼻アレルギー診療ガイドライン 2020年版」に準じて治療を行う.
原因アレルゲンを回避する.チャ
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