◆病態と診断
A難治性関節RA
RAの治療の中心となる抗リウマチ薬として,わが国では従来型合成抗リウマチ薬(csDMARDs:conventional synthetic disease modifying anti-rheumatic drugs)がメトトレキサートなど12種類,生物学的抗リウマチ薬(bDMARDs:biological DMARDs)が腫瘍壊死因子(TNF:tumor necrosis factor)阻害薬など8種類,分子標的型合成抗リウマチ薬(tsDMARDs:targeted synthetic DMARDs)がヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬のみ5種類が承認されている.それにより過半数のRA患者が寛解に到達しているが,こうした治療にもかかわらず症状が持続してQOLが低下したままである患者も少なくない.欧州リウマチ学会ではdifficult-to-treat RAの定義として,「学会の推奨に従った治療で少なくとも2剤以上の作用機序の異なるbDMARDsやtsDMARDs治療を受けており,中等度以上の疾患活動性,活動性を示唆する症状・徴候,副腎皮質ステロイドの減量困難,X線における関節破壊の急速な進行,QOLを低下させるRAの症状のいずれかが存在し,リウマチ医や患者にとって症状・徴候の制御が困難と認識されていること」をあげている.こうしたunmet needsに対して患者多様性に対応したさらなる治療の多様性が必要であり,そこには新たな分子標的の探索とともに,既存治療薬の用法・用量の見直しも含まれる.
B血管炎の分類基準改訂
2021年11月に開催された米国リウマチ学会において,抗好中球細胞質抗体(ANCA:antineutrophil cytoplasmic antibody)関連血管炎,そして巨細胞性動脈炎・高安動脈炎の分類基準改訂が報告され,前者に関して