今日の診療
治療指針

混合性結合組織病
mixed connective tissue disease(MCTD)
中野和久
(川崎医科大学特任教授・リウマチ・膠原病学)

頻度 割合みる(有病率は人口10万に対して9人前後である.2014年の医療受給者証所持者数を基にした集計では本邦で11,005人が指定難病として認定されている.男女比は1:15程度で女性に多く,好発年齢は30~40歳台である)

GLMCTD(混合性結合組織病)診療ガイドライン2021

GL結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症診療ガイドライン(2019)

GL肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版)

GL膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2020

治療のポイント

・前面に出る混合所見によって治療方針が異なる.

・GCが治療の中心となるが,臓器障害と重症度によって初期量を決定し,GCの副作用防止のため,必要最小限の維持量とする.

・重症例では免疫抑制薬の併用を考慮する.

・PAHやILDの合併については,定期的に評価を行い,診断後は早期に治療を開始する.

◆病態と診断

A病態

・MCTDは,SLE,強皮症(SSc:systemic sclerosis),および多発性筋炎の一部の症状が混在し,血清学的に抗UI-ribonucleoprotein(U1-RNP)抗体高力価陽性を特徴とする.

レイノー現象と手指の腫脹,関節症状が初発症状として高頻度である.比較的特異的な臨床症状として三叉神経障害,無菌性髄膜炎がある.

・生命予後を規定する合併症としては,肺動脈性肺高血圧症(PAH:pulmonary arterial hypertension)と間質性肺疾患(ILD:interstitial lung disease)が重要である.

B診断

・MCTDの診断には2019年に作成された厚生労働省基準を参照する.混合所見を満たさなかった場合も,「特徴的な臓器所見」としてPAH,無菌性髄膜炎,もしくは三叉神経障害があれば診断可能である.

・従来通り,SLEやSSc,多発性筋炎/皮膚筋炎の基準(国際的な分類基準も

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