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GL血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版)
治療のポイント
・高安動脈炎,巨細胞性動脈炎の治療の第1選択薬として,ステロイドを用いる.
・難治例,再燃例に,またステロイド減量目的に,メトトレキサート,トシリズマブなどを併用する.
・強度の血管狭窄,動脈閉塞の場合に,血管拡張術などの処置を行うこともある.
◆病態と診断
A病態
・高安動脈炎は,大動脈,およびその分枝,肺動脈,冠動脈に血管炎を発症し,血管の狭窄,閉塞,血管拡張を引き起こす.発症のピークは20歳台であり,若年女性に多い.
・巨細胞性動脈炎は大動脈,およびその分枝に巨細胞を伴う肉芽腫を形成する.特に浅側頭動脈に血管炎を認めることが多く,以前は側頭動脈炎ともよばれていた.50歳台以上の高齢者に発症する.
B診断
・発熱などの全身症状とともに,罹患血管の狭窄/閉塞による虚血に伴う症状が発症する.MRI,MRA,造影CT,CTアンギオグラフィなどによる血管壁肥厚,血管内腔の狭窄,FDG-PETによる血管炎の所見,巨細胞性動脈炎では浅側頭動脈の生検などにより診断する.
・高安動脈炎では,上肢の虚血症状,脳虚血症状,腎動脈狭窄,肺動脈狭窄などがみられることが多く,巨細胞性動脈炎では側頭部の疼痛,下顎跛行,視力低下などがみられる.
◆治療方針
ステロイドが第1選択薬として用いられる.視力障害など急速な治療効果が必要な際には,ステロイドパルス療法を施行する.難治例,再燃例に対してや,ステロイド減量効果を期待して,メトトレキサート,トシリズマブが併用される.高安動脈炎ではさらにアザチオプリン,ミコフェノール酸モフェチル,レフルノミド,抗腫瘍壊死因子(TNF:tumor necrosis factor)阻害薬が併用されることもある.メトトレキサート,ミコフェノール酸モフェチル,レフルノミド,TNF阻害薬は保険適用外である.
A初期治
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