頻度 あまりみない
GLサルコイドーシス診療の手引き2020
治療のポイント
・肺門リンパ節や肺,眼,皮膚,心臓など多臓器に非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を生じる全身性疾患である.
・臨床症状や経過は多彩である.予後は比較的良好で,無症候性や自然寛解例も少なくない.
・ADLやQOLに問題なく,心臓や中枢神経系など予後に影響する臓器障害がなければ経過観察を行う.
・治療薬の中心は副腎皮質ステロイドで,難治例では免疫抑制薬〔アザチオプリンやメトトレキサート(保険適用外)〕を用いる.
・難治性ぶどう膜炎には腫瘍壊死因子阻害薬(アダリムマブ),進行性の肺線維化には抗線維化薬(ニンテダニブ)も用いられる.
◆病態と診断
A病態
・遺伝要因を有する個体に環境要因が作用して発症する多因子疾患であり,アクネ菌(Cutibacterium acnes)や抗酸菌などの外来抗原に対するCD4陽性ヘルパーT細胞やマクロファージの活性化