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GL脳卒中治療ガイドライン2021
Ⅰ.心原性脳塞栓症に対する急性期機械的血栓回収療法
治療のポイント
・主に心房細動による心内血栓が脳主幹動脈を急性閉塞し,脳梗塞を生じる.従来のアルテプラーゼ静注による再開通率は低い.
・血管内治療の有用性が確立され,国内で年間約16,000件が実施される(2020年).
◆病態と診断
A病態
・心房細動により左房内血流がうっ滞し血栓が形成される.左心系から内頸動脈,椎骨動脈に血栓が迷入して脳主幹動脈を閉塞し,突然の神経症状(片麻痺,失語症,共同偏視など),意識障害を生じる.
B診断
・CT/MRIで脳梗塞と閉塞脳血管を診断する.
・心電図で心房細動があれば本症の可能性が高い.ただし発作性心房細動が洞調律に戻る可能性も念頭におく.
◆治療方針
アルテプラーゼ投与基準を満たせばこれを開始し,主幹動脈閉塞の場合は並行して機械的血栓回収療法に進む.再開通までの時間が予