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GL脳卒中治療ガイドライン2021
ニュートピックス
・質の高いRCTでは,いずれも外科治療の優位性は認められたが,統計学的有意差はない.しかし,これまでのRCTをまとめたメタ解析では,早期の低侵襲手術がそれ以外の治療と比較して有意に有効性が認められた.
・脳アミロイドアンギオパチーでは,高齢女性の皮質下出血が多く,MRIでmicrobleed(微小出血)やsuperficial siderosis(脳表ヘモジデリン沈着症),拡大血管周囲腔などがみられる.
治療のポイント
・若年者では原因精査を十分行い,原因に応じた根治的治療を行う.
・高血圧の有無を確認し,収縮期血圧140mmHg未満を目標に降圧を行う.
・神経症状の進行,CTで早期血腫増大の有無を確認し,必要なら早期の外科治療を行う.
・抗血栓薬投与中なら,中和薬の投与を検討する.
◆病態と診断
A病態
・成人の場合,多くは高血圧による類線維素変性や微小動脈瘤が原因である.
・高齢者の皮質下出血では,脳アミロイドアンギオパチーによる出血が多い.
・若年者では,脳動静脈奇形,もやもや病などが原因の場合がある.
・抗血栓薬内服中では,止血が遷延することがある.
B診断
・頭部CTで,被殻,視床,皮質下,小脳,脳幹に高吸収域がみられる.脳室穿破,水頭症の有無を確認する.
・血腫量(mL)の簡易計算法は,血腫が最も大きく描出されるスライスでの,「(最長径×最長径の直交径×血腫の高さ)cm3÷2」とされる.
・急性期ではMRIよりCTが診断しやすい.一方,慢性期にはMRIのT2* や磁化率強調イメージング(SWI:susceptibility-weighted imaging)での低信号が診断に有用である.
・高血圧性以外の出血源検索に,造影CTやMRI・MRAにて脳血管撮影を行い,脳動脈瘤,脳動静脈奇形,もやもや病,海綿状血管腫,静脈性血管腫,硬膜動