今日の診療
治療指針

高血圧性脳症
hypertensive encephalopathy
永田栄一郎
(東海大学教授・脳神経内科学)

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治療のポイント

・高血圧性脳症は高血圧緊急症の1つで,高度の血圧上昇(180/120mmHg以上)により,脳,心臓,腎臓などの臓器に急性の障害が生じる病態であり,早急な血圧降下を必要とする.

・子癇や免疫抑制薬の使用で認められる可逆性後白質脳症症候群(RPLS),可逆性後頭葉白質脳症症候群(PRES),可逆性脳血管れん縮症候群(RCVS)などを伴う場合がある.

・治療が遅れることにより後遺症を残したり,時に生命に危険が及ぶことがあるので,すみやかに降圧をはかる必要がある.

◆病態と診断

A病態

急激で著しい血圧上昇により脳血流自動調節能の上限を超えて,必要以上に脳血流が増加,血液脳関門が破綻して,血管原性脳浮腫を起こす状態である.

・長期の場合は220/110mmHg以上,正常血圧者では160/100mmHg以上で発症しやすい.

・可逆性後白質脳症症候群(RPLS:reversible p

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