頻度 あまりみない
治療のポイント
・初期治療が重要であり,診断を疑った時点で急性期治療を開始する.
・多くの場合単純ヘルペス脳炎との鑑別が困難であり,単純ヘルペス脳炎を否定するまで抗ヘルペスウイルス薬を併用する.
・呼吸不全,けいれん重積にすみやかに対処し,難治例では気管内挿管・人工呼吸を要することがある.
・ほとんどの自己抗体測定は保険適用外であり,研究用試薬を用いて測定する必要がある.
◆病態と診断
A病態
・自己免疫性脳炎は,自己免疫介在性脳炎・脳症とよばれることもある,自己免疫学的機序によって発症する脳炎・脳症である.
・非ヘルペス性急性辺縁系脳炎の多くが自己免疫性脳炎による.
・多くの自己免疫性脳炎で抗神経抗体が関与していると考えられており,少なくともこれまでに8種類の自己抗体が見出されている.
・代表的な自己抗体に,NMDAR(N-methyl-D-aspartate-type glutamate