頻度 よくみる(有病率は120~200人/10万人,60歳以上で1/100人とされる)
GLパーキンソン病診療ガイドライン2018
ニュートピックス
・外科的治療として,2020年12月にadaptive DBSが登場した.脳波の一種であるLFP(local field potentials)を計測し記録するBrainSense機能,およびLFPの変化に応じて出力を自動調整するAdaptive DBS機能(aDBS)を搭載した脳深部刺激装置で,持続的刺激療法に比べ電池消費が少なく刺激による副作用が減少することが期待される.LFPと運動症状には強い相関があることが示唆されており,BrainSense/aDBS機能によって,より個々の患者の症状変化に応じた適切な治療を医師が選択できる可能性がある(→,「パーキンソン病の外科治療」の項参照).
治療のポイント
・さまざまな治療薬が開発され予後が劇的に改善していることを説明し,前向きになるよう指導する.
・運動症状に加えて抑うつ,疼痛,便秘などの非運動症状があり,QOLに影響を与えるため適切に対応する必要がある.
・薬剤によって精神症状が誘発されることがあるので,薬剤投与との関連性を注視する必要があり,進行期ではdevice aided therapyの適応有無を検討する.
◆病態と診断
A病態
・神経病理学的には,患者の残存神経細胞にレヴィ小体が存在する.このレヴィ小体の主要成分であるα-シヌクレインが脳内,あるいは皮膚や唾液腺,網膜にも沈着することがわかっており,全身病として考えられるようになっている.α-シヌクレインの細胞内伝播,脳内領域伝播が疾患の進行と関連性があることがわかっている.
・遺伝性パーキンソン病が全体の10%を占めるとされている.
・適切なドパミン補充療法により生命予後は劇的に改善しているが,生活の質を考えた場合十分に満足いくものとは
関連リンク
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