頻度 あまりみない
GL筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン2013
治療のポイント
・薬物治療に加え,体重維持,非侵襲的換気療法などの導入が,生命予後の改善につながる.
・関節可動域訓練やリハビリテーションを継続し,残存機能を維持する.
・早期に診断し,将来起こりうる嚥下,呼吸やコミュニケーション障害への対策を多職種が連携して行う.
◆病態と診断
A病態
・上位と下位運動ニューロンが選択的に変性・脱落し,全身の筋力低下・筋萎縮,嚥下障害,構音障害,呼吸機能障害が出現する.
・約10%は家族性であり,原因遺伝子の一部は判明している.
・TAR DNA-binding protein 43(TDP-43)などの蛋白質異常蓄積が病態に関与しているとされている.
B診断
・臨床症状や経過に加え,診察所見から診断する.上位運動ニューロン徴候(腱反射亢進,病的反射,痙縮など)と下位運動ニューロン徴候(筋力低下,筋萎縮,線維束性収縮)の両者がみられることがポイントである.
・以前はALSの確からしさでグレード分類していたが,2020年に,ALSか否かを念頭においたGold Coast診断基準が作成された.針筋電図で複数の筋肉において急性脱神経所見がみられることが診断のポイントになる.
・認知機能障害をきたす症例もあるが,重度の見当識障害や記憶障害を呈することはまれである.また軽度の感覚障害をきたす場合もある.
・予後が3~5年とされているが,個人差が大きく,1年以内で死亡する患者,10年経過しても生存している患者がそれぞれ1割ずつを占める.
◆治療方針
筋萎縮性側索硬化症治療の主な目的は,①運動機能低下抑制,②呼吸機能障害への対応,③嚥下障害への対応,④コミュニケーション障害への対応が挙げられる.
日本神経学会の「筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン2013」も参照されたい.
A運動機能低下抑制
Px処方例 下記の両方,また