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GLてんかん診療ガイドライン2018
ニュートピックス
・ミオクローヌスの治療の主流はバルプロ酸やクロナゼパムなど旧来の抗てんかん薬であったが,近年,レベチラセタムやペランパネルなどの薬物相互作用がない新規抗てんかん薬が注目されている.
治療のポイント
・ミオクローヌスの種類,起源により,病態,治療が異なる.脳炎や脳卒中,代謝性疾患,薬物中毒,腫瘍などに随伴する症候性ミオクローヌスは原疾患の治療が優先される.
◆病態と診断
A病態
・屈筋と伸筋が同時に短時間収縮を繰り返し,これらの筋が交互に律動的に収縮する振戦とは区別される.肝性脳症などで観察されるはばたき振戦は,持続的筋放電の一過性脱失に伴う陰性ミオクローヌス(アステリキシス:asterixis)である.
・原因部位による診断は皮質性,皮質-皮質下性(非分節性),末梢性(分節性)のほか脳幹性,脊髄性などがある.
1)若年性ミオクロニー発作:小児期に生じる欠伸とミオクロニーを伴う発作で,突然に発症し,持続は10~60秒である.
2)進行性ミオクローヌスてんかん:進行性の歩行失調や精神障害,認知症状を伴うものもある.歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症,Unverricht-Lundborg病,ミトコンドリア病,Lafora病,ライソゾーム病などがある.
3)良性家族性ミオクローヌスてんかん:皮質性ミオクローヌスが反復し,時に振戦様となるが,薬剤によく反応する.
4)高齢者にみられるミオクローヌス
a)TMA(transient myoclonus and asterixis):高齢者に一過性にみられ,アステリキシスを伴う.腎機能障害や感染症が誘因のことが多い.
b)クロイツフェルト・ヤコプ病(CJD:Creutzfeldt-Jakob disease):進行性の認知機能障害,四肢のミオクローヌスを伴う.
5)代謝性脳症,内科的疾患に伴うミオクロー