頻度 よくみる〔200~400万人(人口の2~4%),治療が必要なのはその1/3程度〕
治療のポイント
・治療前に鑑別診断し,特に2次性RLSの原因となる病態の有無を必ず確認し,可能な限り原疾患の治療を優先する.
・軽症例では非薬物治療を,中等症以上もしくは症状出現頻度が高い場合には薬物治療も併せて行う.
・血清フェリチン値低下がある場合は鉄を補充し,低下がなければドパミンアゴニストやα2δリガンドを投薬する.
・ドパミンアゴニストによる治療は非常に効果的だが,長期間ないし高用量使用した場合にはaugmentation(症状増強現象)を誘発する可能性があるため,用量設定は慎重に行うべきである.
◆病態と診断
A病態
・病態生理はいまだ不明であるが,①遺伝的背景,②環境因子,③脳内の鉄欠乏や鉄代謝異常,④ドパミン神経系の機能異常,⑤グルタミン酸系やアデノシン系経路の変化,などが相互に関連していると考えられている.
・20~60%の患者に家族歴があり,家族性RLSは若年発症しやすい.関連遺伝子としてMEIS1(染色体2p14),BTBD9(染色体6p21.2),PTPRD(染色体9p24.1-p23),MAP2K5/SKOR1(染色体15q23)などが挙げられている.
・脳脊髄液中のフェリチン低下とトランスフェリン増加,経頭蓋超音波検査での黒質の低輝度,頭部MRIでの赤核の鉄沈着低下などから,中枢鉄調節障害の病態への関与が疑われている.
・ドパミンアゴニストが感覚・運動症状の両方に治療効果を示すこと,ドパミントランスポーターシンチグラフィ(DaT SCAN)での被殻のドパミントランスポーターの低下,黒質/被殻のチロシン水酸化酵素陽性細胞の増加,ドパミン受容体の感受性の日内変動などから,中枢ドパミン作動性神経機構の障害が示唆されている.また,動物モデルにおいても,視床下部後部(A11)から脊髄へ下行す
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