頻度 よくみる(中高年)
治療のポイント
・保存治療の原則は頸部の安静・良姿位保持である.
・神経根症は保存的治療にて軽快することが多い.疼痛には,鎮痛薬または神経障害性疼痛治療薬を使用する.
・適切な保存治療でも悪化する場合は,手術適応を検討する.
◆病態と診断
A病態
・頸椎椎間板症には,比較的若年者に多い椎間板ヘルニアと,中高年者に多い頸椎症がある.
・椎間板ヘルニアは,椎間板線維輪が破綻して髄核が脱出するものである.頸椎症は,椎間版の加齢・退行変性があり,それに伴って靭帯肥厚や骨棘の形成が起こるものである.
・症候は,①頸部痛などの局所症状,②神経根圧迫による神経根症,③脊髄圧迫による脊髄症,に分類できる.神経症候には,静的な圧迫だけでなく,動的な障害が関与している.
B診断
・神経根症は肩甲部の疼痛とともに上肢への神経根痛で初発することが多い.上肢にしびれ,感覚障害,ときに筋力低下・筋萎縮を認める.頸