今日の診療
治療指針

群発頭痛
cluster headache
今井 昇
(静岡赤十字病院・脳神経内科部長)

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GL頭痛の診療ガイドライン2021

ニュートピックス

・2021年12月にスマトリプタン注が販売中止になり,スマトリプタン注射剤はキット製剤のみとなった.キット製剤は投与にインジェクターを必要とするが,院内で使用する際にインジェクターの消毒・滅菌処理をせずに患者間で使い回しすることは推奨されていない.

治療のポイント

・急性期治療の第1選択はスマトリプタン皮下注か高濃度酸素吸入である.

・予防療法はベラパミルにステロイドを併用する.

◆病態と診断

A病態

・頭痛と同側の視床下部および三叉神経-副交感神経反射の活性化が推定されている.

B診断

一側性の激しい頭痛同側の流涙,結膜充血,鼻閉,鼻漏などの頭部自律神経症状を呈する場合,群発頭痛を考慮する.

・頭痛発作は通常1~2時間持続し,連日同じ時間帯に1~2回出現する.

・治療が奏効しない場合は,ほかの三叉神経・自律神経性頭痛を鑑別する.

◆治療方針

 群発頭痛治療の目的は,激痛発作を早期に軽減し発作の出現を予防することである.

A急性期治療

Px処方例 下記のいずれかを用いる.

1)スマトリプタン(イミグラン)キット皮下注 1回3mg 皮下注

2)高濃度(90%以上)酸素 7L/分で15分間吸入 在宅酸素療法の保険適用が認められている

Px使い分けのポイント

・1)は2)より即効性があり有効性も高いが,1日2回までしか使用できない(2回の投与間隔は少なくとも1時間あける).

B予防療法

Px処方例 下記を併用する.

 ベラパミル(ワソラン)錠(40mg) 1回2~3錠 1日3回 毎食後(適用外使用が認められている)

 プレドニゾロン(プレドニン)錠(5mg) 1回12~20錠 1日1回 朝食後.5日間継続し,以後10mg/日または20mg/3日で漸減・中止(適用外使用が認められている)



エビデンス

‍ ●群発頭痛の在宅酸素療法 在宅酸素療法の酸

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