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GL脳卒中治療ガイドライン2021
ニュートピックス
・リハビリテーション治療と組み合わせた迷走神経刺激は,虚血性脳卒中後の長期的な中等度から重度の上肢機能障害に有効な治療法であることが報告された.
治療のポイント
・急性期では,不動に伴う合併症(廃用性症候群)が生じるため不必要な安静は害悪である.
・回復期は,リハビリテーション(以下リハ)治療の効果が最も発現されやすい時期なので,評価を行い適切なリハ治療を集中的に施行すべきである.
・生活期のリハ医療は,医療保険による外来でのリハ診療やリハビリ,介護保険による通所リハや訪問リハから選択をする.
◆病態と診断
A病態
・脳血管障害の初発の症状は約7割が片麻痺である.
・片麻痺の症状は,錐体路(皮質脊髄路)の障害された部分によって症状が異なる.
・片麻痺は上肢より下肢,肢は末梢より中枢のほうが早期に回復しやすい.
・錐体路徴候(上位運動ニューロン障害)として,筋力の低下,筋トーヌスや腱反射の亢進,病的反射の出現,連合運動,共同運動などがみられる.
・脳血管障害後の失調は小脳性あるいは深部感覚障害性に分類される.
B診断
・片麻痺の重症度をBrunnstrom Recovery Stageで評価する.
・総合評価として,FMA(Fugl-Meyer Assessment),脳卒中重症度スケール,National Institutes of Health Stroke Scaleなどが挙げられる.
・上肢麻痺に関してはFMAとAction Research Arm Testが用いられている.
・筋緊張評価として,modified Ashworth Scaleが用いられている.
・ADLの尺度では,Functional Independence MeasureあるいはBarthel Indexを用いる.
◆治療方針
片麻痺を呈する場合,運動麻痺が軽度であっ