頻度 割合みる(成人女性)
GL摂食障害治療ガイドライン(2012)
治療のポイント
・治療の目標は食行動の異常や精神・心理面の異常を認識し,安全に生活を送るために必要な体力と食習慣を再獲得することにある.
・精神療法や行動療法などの非薬物療法が基本であり,治療の継続には治療動機の確立が必須である.
・BMI<14kg/m2 の場合は救命を目的とした身体管理が優先される.
◆病態と診断
・有意に低い体重とやせ願望を伴う神経性やせ症(AN:anorexia nervosa),反復する過食とその代償行為を伴う神経性過食症(BN:bulimia nervosa),食事への無関心や嫌悪から拒食を呈する回避・制限性食物摂取症(ARFID:avoidant/restrictive food intake disorder),過食の代償行為を伴わない過食性障害(BED:binge-eating disorder)に分類される.
・AN,BNは9割が女性である.
・不安障害,抑うつ障害,神経発達障害,パーソナリティ障害などを併存することが多い.
・発症後数年以内に多くの患者は回復するが,長期化(>7年)により重症化,遷延化が生じやすく,しばしば回復が困難となる.
◆治療方針
A初期のアセスメント
AN,BN,BED,ARFIDの分類を明確に区別することは難しく,患者の生育歴,対人関係,パーソナリティ傾向などの背景因子を精査し,症状形成の過程を考察することが病態の理解につながる.また,重症度を身体,行動,精神・心理の3つの側面から評価しておくことが重要である.初期のアセスメントで病態・重症度を十分に把握しておかないと適切な治療選択が行われない,生命予後に影響する合併症が生じる,治療関係・治療動機の確立に影響しその後の治療が停滞するなどの問題が生じる可能性がある.
B低体重に対する身体管理
BMI<14kg/m2 の場