今日の診療
治療指針

テーピング法
taping
武井聖良
(東京大学・整形外科学)

治療のポイント

・外傷・障害の応急処置・予防・再発防止および疼痛軽減を目的に行われる手技である.

・靭帯の位置やその作用,関節の機能解剖を正しく理解し,目的に応じて適切なテーピング法,テープの種類を選択する.

・テーピング後の循環障害,神経障害に注意する.

・テープの素材に対するアレルギー反応など皮膚の状態にも配慮する.

A目的

1.外傷・障害の予防

 スポーツ活動中に高頻度に外傷が発生する部位に対する保護や,アライメントの矯正.

2.応急処置

 急性外傷発生直後の安静・固定による患部保護と腫脹増強の抑制.

3.治療

 外傷後の加療に用いられるバディテーピングなど.

4.再発防止

 外傷後の早期リハビリテーションを行う際の保護,運動再開後の同じ受傷動作の回避.

5.疼痛軽減

 動作時のアライメント矯正,筋や腱の伸長ストレス軽減,患部への衝撃緩和.

B効果

1.関節運動の制限

 アライメント矯正,非生理的な運動方向の制限.関節不安定性の改善.

2.患部の圧迫・固定

 腫脹や出血の進行を抑制.

3.筋や腱の保護

 筋や腱の走行に沿ったテーピングは,筋収縮を介助し,伸長には抵抗することで保護的に作用.

Cテープの種類

1.非伸縮テープ

 強固な固定,運動制限に用いる(例:ホワイトテープ).

2.伸縮テープ

 可動性があり,筋・腱の動きの補助に用いる(例:キネシオテープ).

3.アンダーラップ

 肌を保護する目的でテープの下地として使用する.

D基本手技

1.アンカーテープ

 サポートテープの固定を目的とする.テーピングの始めと終わりに行う.

2.サポートテープ

 関節や筋肉を支持・固定することを目的とする.その仕上がりの形態によって分類されるが,複数の種類を組み合わせて固定することが多い.

a.例

1)スターアップ:あぶみ状.足関節の内・外反を制動.

2)ホースシュー:足部外側から内側にかけて馬蹄状に巻く.足関節の内外転を制動.

3)フィギュアエイト:関

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