治療のポイント
・外傷・障害の応急処置・予防・再発防止および疼痛軽減を目的に行われる手技である.
・靭帯の位置やその作用,関節の機能解剖を正しく理解し,目的に応じて適切なテーピング法,テープの種類を選択する.
・テーピング後の循環障害,神経障害に注意する.
・テープの素材に対するアレルギー反応など皮膚の状態にも配慮する.
A目的
1.外傷・障害の予防
スポーツ活動中に高頻度に外傷が発生する部位に対する保護や,アライメントの矯正.
2.応急処置
急性外傷発生直後の安静・固定による患部保護と腫脹増強の抑制.
3.治療
外傷後の加療に用いられるバディテーピングなど.
4.再発防止
外傷後の早期リハビリテーションを行う際の保護,運動再開後の同じ受傷動作の回避.
5.疼痛軽減
動作時のアライメント矯正,筋や腱の伸長ストレス軽減,患部への衝撃緩和.
B効果
1.関節運動の制限
アライメント矯正,非生理的な運動方向の制限.関節不安定性の改善.
2.患部の圧迫・固定
腫脹や出血の進行を抑制.
3.筋や腱の保護
筋や腱の走行に沿ったテーピングは,筋収縮を介助し,伸長には抵抗することで保護的に作用.
Cテープの種類
1.非伸縮テープ
強固な固定,運動制限に用いる(例:ホワイトテープ).
2.伸縮テープ
可動性があり,筋・腱の動きの補助に用いる(例:キネシオテープ).
3.アンダーラップ
肌を保護する目的でテープの下地として使用する.
D基本手技
1.アンカーテープ
サポートテープの固定を目的とする.テーピングの始めと終わりに行う.
2.サポートテープ
関節や筋肉を支持・固定することを目的とする.その仕上がりの形態によって分類されるが,複数の種類を組み合わせて固定することが多い.
a.例
1)スターアップ:あぶみ状.足関節の内・外反を制動.
2)ホースシュー:足部外側から内側にかけて馬蹄状に巻く.足関節の内外転を制動.
3)フィギュアエイト:関