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GL外反母趾診療ガイドライン2014(改訂第2版)
治療のポイント
・外反母趾の診断および重症度の評価は一般的に外反母趾角(HV角)で行われ,20度以上は外反母趾と診断する.
・外反母趾の変形の程度や痛み,ADLや患者の希望を考慮し治療法を選択する.
◆病態と診断
A病態
・第1中足骨が足根中足(TMT:tarsometatarsal)関節で内反し,母趾基節骨が中足趾節(MTP:metatarsophalangeal)関節で外反かつ回内し,中足骨頭が内側に突出している状態である(図).
・その要因として関節の動きや足趾の長さなどが影響していることが報告されているが,確定されたものはない.
・家族内発症や男性に比べ女性に多いことが知られている.年齢とともに外反母趾が進行することや靴による影響があることも疫学的に報告されている.
B診断
・一般的に足部単純X線像による外反母趾角(HV角)で行われ,20度以上は外反母趾と診断する.外反母趾の重症度に関しては,HV角が20~30度では軽度,30~40度までが中等度,40度以上が重度としてガイドラインで定められている.
・臨床症状としては,母趾内側の痛み(第1MTP関節内側部痛),母趾趾節間(IP)関節内側部の痛みや胼胝,外反母趾に伴う第2~3中足骨頭下に痛みや胼胝形成を認める中足痛,母趾と第2足趾が重なることによる足趾変形による痛みや脱臼,足の幅が広がり(開張足),第5中足骨頭外側に痛みを認めることや関節の弛みに起因するTMT関節の関節症性変化など多岐にわたる.
◆治療方針
外反母趾の治療では,病態を理解し保存療法や手術治療を行うことが重要である.
A保存療法
不適切な靴の使用が外的要因であるため靴の指導が行われる.靴の指導では,つま先側が広くやわらかい素材でできた,ヒールの高くない靴を勧める.運動療法(母趾の外転筋などの足部内在筋の訓練やモビ