今日の診療
治療指針

尿管カテーテル法,腎瘻造設術
ureteral catheterization,nephrostomy
知名俊幸
(順天堂大学准教授・泌尿器科)

治療のポイント

・病態や患者の状態により適応については事前によく検討すること.

・適応判断および処置に関しては泌尿器科にて行うことが好ましい.

・本処置は主にドレナージを目的とするものであり,その病態に至った原疾患の治療を優先する必要がある.

◆病態と診断

A病態

・尿管カテーテル法,腎瘻造設術は主に腎盂または尿管などの上部尿路に腎尿管結石,良悪性腫瘍,感染などによる炎症性疾患,血管やリンパ節による尿管外からの圧迫などによって生じる狭窄,閉塞または尿管蠕動障害によってきたした尿通過障害によって生じる症状,腎機能障害,感染症などに対して行われる処置である.

B診断

・CT,MRI,尿路造影検査,超音波検査などの画像評価がその病態診断および適応を判断するうえでは必要である.

◆治療方針

 尿管カテーテル法,腎瘻造設術ともに,腎盂または尿管などの上部尿路に何らかの閉塞または狭窄をきたした病態に対して疼痛などの症状改善,尿の排泄による腎機能の保存,尿路感染症の治療などを目的として行う処置である.根本的な解決法ではないため,同時にその病態に至った原疾患に対して治療を行うことで改善を期待できる場合は積極的に検討を行う必要がある.

 画像上,水腎症などの所見を認めた場合でも病態によっては必ずしも本処置を要さない場合や,適切な対応とはならない場合もあるため,本処置の手技施行を含め泌尿器科への相談を要する.

A尿管カテーテル法

 腎盂から膀胱にかけて経尿道的に内視鏡にてX線透視下に留置することが一般的であり,各製品によって素材やコーティング,形状(ピッグテイル型,ループ型)など工夫が凝らされているが,いずれも数か月ごとにカテーテルの交換を要する.

 尿管カテーテル法による尿排泄は,自然に膀胱へ溜めて自排泄することが可能であるため患者のQOLを良好に保つことが期待できる一方で,施設での経尿道的な交換の必要性,カテーテルの

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