頻度 割合みる(10万人あたりの罹患数は,男性7~8人,女性3~4人)
GL腎癌診療ガイドライン2017年版
治療のポイント
・限局性腎癌に対しては,根治的腎摘除術を基本とした治療を行う.
・小径腎癌に対しては,ロボット支援下手術などによる部分切除術を検討する.
・転移進行性腎癌に対しては,リスク分類などを考慮して適切な薬物治療を選択する.主たる薬剤は免疫チェックポイント阻害薬とチロシンキナーゼ阻害薬である.
Ⅰ.腎細胞癌
◆病態と診断
A病態
・腎尿細管由来の悪性腫瘍で,発症年齢のピークは60~70歳である.
・高齢,喫煙,肥満,高血圧などが危険因子とされる.
・病理組織型としては,淡明細胞癌が最多で約70~80%を占め,次いで乳頭状癌,嫌色素性癌とされる.
B診断
・古典的3主徴(血尿,側腹部痛,腹部腫瘤触知)で発見される症例は減少し,検診などの画像検査で偶発的に発見される症例が多い.
・腎原発巣の画像診断には造影CT検査が最も有用である.
・転移は肺,骨,肝臓,リンパ節などに多いため,CTや骨シンチグラフィなどを用いて病期診断を行う.
◆治療方針
限局性腎癌に対しては外科的切除を,転移進行性腎癌に対しては薬物療法を中心とした集学的治療を施行する.
A限局性腎癌
1.標準治療
根治的腎摘除術あるいは腎部分切除術である.
2.ロボット支援下腎部分切除術
T1腎腫瘍に適応となって以降,その頻度が著しく増加している.
3.局所治療
多発腫瘍などに対しては,凍結療法などの局所治療が施行されることがある.
B転移進行性腎癌
薬物療法を中心とした集学的治療が中心となる.新規治療薬の開発に伴い,薬物療法の治療選択は複雑化しており,詳細は日本泌尿器科学会の「腎癌診療ガイドライン2017年版」などを参照されたい.
1.1次治療
Px処方例 全リスク症例を対象に1)~4)のいずれかを,中間および高リスク症例に対しては5)を用いる.
1)
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