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GL過活動膀胱診療ガイドライン 第3版(2022)
GL二分脊椎に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン[2017年版]
GL脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン[2019年版]
ニュートピックス
・既存治療に抵抗性もしくは忍容性不良の過活動膀胱・神経因性膀胱に対するA型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス)の使用が保険承認された.
治療のポイント
・神経因性膀胱とは,原因となる神経疾患に起因する下部尿路(膀胱・尿道)の機能障害で,神経因性下部尿路機能障害と称される.
・下部尿路機能障害の病態,蓄尿障害と尿排出障害の診断に基づき治療計画を立てる.
◆病態と診断
A病態
・神経因性膀胱とは,神経疾患や神経の異常に起因し,その障害部位によりさまざまな下部尿路機能障害が起こり,多彩な下部尿路症状を呈する.
・膀胱機能障害の病態は排尿筋過活動と排尿筋低活動に分類される.
・尿道機能障害の病態は括約筋低活動と排尿筋尿道括約筋協調不全に分類される.
・中枢神経疾患(脳血管障害,パーキンソン病,多系統萎縮症など)では,排尿筋過活動を起こし,頻尿,切迫性尿失禁などの蓄尿障害を呈することが多い.
・頸椎損傷などの橋排尿中枢に影響する障害では,排尿筋尿道括約筋協調不全による尿排出障害が起こることがある.
・末梢神経障害(腰部椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症,糖尿病性末梢神経障害,骨盤内臓器の術後など)では,排尿筋低活動による尿排出障害を呈することが多い.
・高度で持続的な尿排出障害では尿路感染や上部尿路(腎)機能障害などの合併症が起こりうる.
B診断
・神経症状を有する疾患が明らかな場合には,その障害部位により,おおよその下部尿路機能障害の病態は推測できるが,実際の病態は多彩であり,適切な治療法の決定には,専門医による尿流動態検査による正確な病態診断が必要である.
◆治療方針
治療目的は,下部尿路症状の改善と
関連リンク
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