Ⅰ.精巣上体炎
頻度 割合みる
治療のポイント
・急性(細菌性)精巣上体炎と慢性精巣上体炎に分類して治療方針を検討する.
・若年男性および青年の精巣上体炎では淋菌およびクラミジア,小児や高齢男性ではグラム陰性大腸菌群に対する抗菌薬投与が治療の基本である.
・慢性精巣上体炎に対しては対症療法が基本となる.
◆病態と診断
A病態と症状
1.急性精巣上体炎
・若年男性では,大半の症例が性感染症の病原体,特に淋菌(Neisseria gonorrhoeae)またはクラミジア(Chlamydia trachomatis)に起因する.
・小児や高齢者では,大半の症例はグラム陰性の大腸菌群に起因し,典型的には泌尿器系の異常,カテーテル留置,または最近の泌尿器科処置の既往がある患者で発生する.
・小児では下部尿路奇形が誘因となりうる.
・陰嚢部の硬結と腫脹を認め,通常は発熱を伴う.
2.慢性精巣上体炎
・急性精巣上体炎の治療が不十分な際に移行する状態が多いが,原因不明なことも少なくない.結核菌による血行性感染で発症することがある.
・陰嚢部の不快感や疼痛が数か月単位で持続するが,発熱は伴わない.
B検査所見と診断
1.急性精巣上体炎
・血液検査:白血球やCRP上昇などの炎症反応所見がみられる.
・尿検査:尿中白血球,細菌陽性を認める.
・尿細胞培養検査:小児,高齢者では大腸菌などのグラム陰性桿菌,青壮年ではクラミジア,淋菌が検出されることが多い.
2.慢性精巣上体炎
・血液尿検査で異常所見を伴わないことが多い.
◆治療方針
A急性精巣上体炎
原因菌に対する抗菌薬投与が基本となる.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
1.クラミジア陽性例
Px処方例
アジスロマイ
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