今日の診療
治療指針

性機能障害(勃起障害)
male sexual dysfunction(erectile dysfunction:ED)
佐々木春明
(昭和大学藤が丘病院教授・泌尿器科)

GLED診療ガイドライン(第3版)(2018)

ニュートピックス

・バルデナフィルの先発品であるレビトラは販売中止になったので,必要時はジェネリック薬を使用する.

治療のポイント

・勃起障害の多くは陰茎に流入する血流量が減少することが原因であり,動脈硬化が大きく関与する.

・問診では動脈硬化をきたす基礎疾患の確認と内服薬の確認が必要である.

・基本的な治療は,生活習慣病の改善と経口内服薬である.

・経口勃起障害治療薬は,硝酸薬などの併用禁忌に注意すれば安全に投与でき,その有効性も70~80%と良好である.

・インターネットでの個人購入では55.4%が偽造薬であり,健康被害が報告されているので危険である.ジェネリック薬として表示されていることがあるので注意が必要.

◆病態と診断

A病態

・勃起障害(ED)の原因により器質性,心因性,混合性に分類される.さらに,器質性は血管性(動脈性,海綿体性,混合性),神経性,解剖性,内分泌性に分類される.

・中高年のEDの多くは生活習慣病が関係しており,動脈硬化による陰茎への血流障害が原因である.生活習慣病などの基礎疾患を検索する必要がある.

・若年層の多くはストレスが原因のことが多いため,薬物での対症療法やカウンセリングが必要となることがある.

B診断

・定義は「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか,または(and/or)維持できない状態」である.

・勃起機能問診票はSHIM(Sexual Health Inventory for Men)やIIEF(International Index for Erectile Function)があるが,性交の有無にかかわらず,勃起時の硬度を評価するEHS(Erection Hardness Score)が有用である.

・EDの発症と経過,性的刺激時の勃起や早朝勃起時の陰茎硬度と持続時間を確認する.また,性欲,射精,オルガ

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