頻度 よくみる
治療のポイント
・原因となる病態はさまざまであり,それぞれに応じた治療が基本である.
・排尿記録と尿検査,残尿の評価は病態把握に重要である.
・病態と評価所見に応じて薬物療法と行動療法をうまく組み合わせた治療を行う.
・全身疾患の1症状として認める場合もあるので,各疾患領域専門医との連携が重要である.
◆病態と診断
A病態
・症状としての頻尿は,“日中の排尿回数が多いという患者の自覚的な訴え”である昼間頻尿(実地臨床での目安は非就寝時に8回以上)と“就寝後に1回以上排尿に起きるという訴え”である夜間頻尿(通常2回以上を目安とする)に大別される.
・原因は大きく多尿,夜間多尿,1回排尿量の減少に分類される.
・多尿は尿崩症や心因性多飲による水利尿と糖尿病などによる浸透圧利尿が原因となる.
・夜間多尿は早朝尿含む夜間尿量が1日尿量の33%以上(若年者で20%以上)と定義されるが,主な原因として夜間帯の多飲,うっ血性心不全,高血圧,睡眠時無呼吸症候群などが挙げられる.
・1回排尿量減少の原因としては,下部尿路機能障害(過活動膀胱,前立腺肥大症など)や下部尿路の局所病変(尿路感染症,膀胱癌,間質性膀胱炎など)による膀胱容量の減少と睡眠障害による夜間頻尿などがある.
B診断
・上記の病態を念頭においた問診が重要であり,加えて質問票〔国際前立腺症状スコア(IPSS:International Prostate Symptom Score),過活動膀胱症状スコア(OABSS:Overactive Bladder Symptom Score)〕を用いた評価も行う.また,利尿薬など併用薬剤の有無も確認しておく.
・局所病変や全身疾患の鑑別のため尿検査は必須であり,また一般的な身体診察とともに可能であれば超音波検査による残尿評価を行う.
・頻尿の原因検索に最も重要なのが排尿日誌である.1回排尿量,1日尿量,排
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