◆病態と診断
・紫外線療法には,体内因子と紫外線とを反応させる方法と,体外から因子を投与し紫外線と反応させる方法がある.いずれも光化学反応,光生物反応に引き続き治療効果を発揮する.
・治療効果として,乾癬やアトピー性皮膚炎,脱毛では主にT細胞に働きかけ免疫抑制効果を,白斑では色素細胞に働きかけ表皮へのメラニン産生を促す.
・紫外線療法は多くの皮膚疾患に対して,単独治療,既存治療との併用ができるなど幅広い活用が可能である.
・病変の範囲により全身型,ターゲット型を使い分ける.
◆治療方針
乾癬,類乾癬,掌蹠膿疱症,菌状息肉症,悪性リンパ腫,慢性苔癬状粃糠疹,尋常性白斑,アトピー性皮膚炎,円形脱毛症(2020年4月より)が保険適用となっている.また,保険点数の対象にはなっていないが,透析に伴う瘙痒,移植片対宿主(GVH)反応,結節性痒疹,強皮症などには一定の効果が認められている.
APUVA(ソラレン+UVA)療法
PUVA療法はソラレンとUVAを組み合わせて使用する治療方法で,深い部位への効果が期待され,菌状息肉症や悪性リンパ腫に使用されることが多い.
1.内服PUVA療法
0.6mg/kgのメトキサレンを内服し2時間後にUVAを照射する.最少紅斑量(MED)の1/3~1/2量から開始し,20~50%ずつ増量する.
2.外用PUVA療法
メトキサレン(0.3%)外用直後,あるいは2時間後にUVA0.1~0.3ジュール/cm2 を照射する.
3.bath PUVA療法
メトキサレン1~5mg/Lを含む37~42℃の温水に10~15分入浴,入浴後タオルで体を拭きとり直後にUVA0.2~0.5ジュール/cm2 を照射する.
BナローバンドUVB療法
311~313nmと幅の狭い波長を用いる紫外線治療のナローバンドUVB療法は,275~375nmの波長を用いたブロードバンドUVB療法と比して発癌性が少な