頻度 あまりみない
GL重症多形滲出性紅斑スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症診療ガイドライン(2016)
治療のポイント
・重症薬疹には,SJSやTEN,DIHSなどがある.
・SJS/TENではステロイドの全身投与が第1選択である.
・DIHSでは,ウイルス再活性化や,後期の自己免疫性疾患の発症に注意する.
◆病態と診断
A病態
1.スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)/中毒性表皮壊死症(TEN:toxic epidermal necrolysis)
・発熱や全身の紅斑,水疱から表皮剥離を形成する.眼や口腔,陰部などの粘膜症状を生じる.失明などの後遺症をきたすこともある.
・表皮剥離は表皮細胞の細胞死により生じる.この細胞死にはアポトーシスやネクロプトーシスなどのプログラムされた細胞死が関与している.
・原因薬剤投与開始から数日~約1週間後に発症する.抗てんかん薬やアセトアミノフェン,アロプリノールなどの解熱鎮痛薬,抗菌薬などが原因として報告されることが多い.
2.薬剤性過敏症症候群(DIHS:drug induced hypersensitivity syndrome)
・カルバマゼピンやラモトリギン,サラゾスルファピリジン,ジアフェニルスルホン,アロプリノール,スルファメトキサゾール・トリメトプリムなどの特定の薬剤を,3週間~数か月と長期に内服することにより生じる.
・原因薬剤中止後も症状が遷延,または増悪することがある.
・皮疹消退後にヒトヘルペスウイルス(HHV)-6やサイトメガロウイルス(CMV)の再活性化を起こすことがある.特にCMVの再活性化は致死的な臓器病変を生じるため中止が必要である.
B診断
1.SJS/TEN
・臨床症状から重症薬疹を疑った場合は,詳細に薬歴を聴取する.
・診断を確定するために皮膚生検を行う.病理組織学的に表皮細胞の細胞死が認められる.
・原因薬剤の特
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