今日の診療
治療指針

光線過敏症
photosensitive disorders
森脇真一
(大阪医科薬科大学教授・皮膚科学)

頻度 〔人口の数%(多形日光疹)から数万人に1人(色素性乾皮症)までさまざまである〕

治療のポイント

・確定診断が重要で,外因が判明すれば除去,内因性では作用波長の光線曝露を避けるよう指導する.

・遺伝性では厳重な遮光を指導し,合併症(色素性乾皮症では露光部皮膚癌や神経症状,骨髄性プロトポルフィリン症では肝機能障害)の早期発見・対応に留意する.帽子,衣服などによる物理的遮光とサンスクリーン剤を用いる化学的遮光を適宜指導する.

・炎症性皮疹には対症療法が基本である.

◆病態と診断

A病態

・通常では皮膚に異常が生じない波長あるいは短時間の光線(紫外線,可視光線)曝露後,浴びた部位に一致して異常な皮膚反応を呈する疾患群を光線過敏症と定義する.

・外因性,内因性,遺伝性,代謝異常,EBV(Epstein-Barr virus)感染などさまざまな要因で発症し,外因が明らかなものは光接触皮膚炎,薬剤性光線過敏症,内

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