頻度 情報なし
◆病態と診断
A病態
・皮膚アミロイドーシスはアミロイドとよばれる線維状の蛋白質が皮膚の細胞間隙に沈着する疾患である.皮膚のみに沈着する皮膚限局性と皮膚以外の臓器にも沈着する全身性がある.
・皮膚限局性には原発性と続発性があり,原発性には表皮のケラチン由来のアミロイドが沈着するアミロイド苔癬や斑状アミロイドーシス,免疫グロブリンL鎖由来のアミロイドが沈着する結節性アミロイドーシスがある.続発性は炎症や腫瘍に伴い皮膚にアミロイドが沈着する.
B診断
・生検してコンゴーレッドやダイロンによる特殊染色で病理学的検討を行う.
・アミロイド苔癬では下腿や前腕に激しいかゆみを伴う多数の丘疹が,斑状アミロイドーシスではナイロンタオル長期使用などにより上背部にさざ波状の色素沈着が特徴的にみられる.
◆治療方針
全身性や続発性では原疾患の治療を優先する.皮膚限局性原発性の場合,掻破や摩擦などの機械的刺激を避け,抗アレルギー薬内服とステロイド外用を行うが難治で,ガーゼ保護や密封療法も考慮する.
A薬物療法
Px処方例 下記1)を用いる.乾燥や角化には保湿剤2)の重層外用,瘙痒には3)を併用する.外用は軟膏基剤よりローション基剤が有効な場合がある.
1)ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(アンテベート薬)軟膏 1日2回 塗布
2)ヘパリン類似物質(ヒルドイド薬)ソフト軟膏 1日2回 塗布
3)ベポタスチン(タリオン薬)錠(10mg) 1回1錠 1日2回 朝・夕食後
■専門医へのコンサルト
・アトピー性皮膚炎を合併するアミロイド苔癬は皮膚科へコンサルトする.
・結節性アミロイドーシスは外科的に切除することがあるが再発しやすい.切除に関しては皮膚科へコンサルトする.
・炭酸ガスレーザーや紫外線による治療を薬物療法と併用することがある.患者の希望があれば形成外科や皮膚科へコンサルトする.
■患者説明のポイント
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