GL尋常性疣贅診療ガイドライン2019(第1版)
Ⅰ.ウイルス性疣贅(いぼ)
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治療のポイント
・ありふれた疾患であるが,老人性疣贅,鶏眼,胼胝と鑑別する必要がある.
・基本的には保険診療(液体窒素凍結療法,サリチル酸外用,ヨクイニンエキス内服)から開始する.
・難治であるときは「尋常性疣贅診療ガイドライン2019(第1版)」のアルゴリズムを参考にする.
◆病態と診断
・ウイルス性疣贅はHPV(human papillomavirus)の感染により生じる.ウイルス性疣贅には感染しているHPVタイプにより,尋常性疣贅,扁平疣贅,青年性扁平疣贅などさまざまな臨床像を呈する.尋常性疣贅でみられる点状出血は診断に役立つ.
◆治療方針
特に足底疣贅は難治であり,時として多発する例では免疫不全を伴うことがあり注意を要する.2019年に発表されたガイドラインが参考になる.各治療を3か月ごとにローテーションする方法が推奨され,各治療法前の「角質除去」が重要である.
A液体窒素凍結療法
液体窒素を綿球に含ませ,病変部に圧抵する.術後の水疱形成などに注意する.保険適用あり.
方法:3~5回程度,疣贅の周囲が白色に変化するまで.2週間ごとに行う.
Bヨクイニンエキス内服
他の治療法と合わせて内服することが多いが,扁平疣贅では単独でも効果がある.保険適用あり.
Px処方例
ヨクイニンエキス薬錠 1回3~6錠 1日3回.適宜増減可能
Cサリチル酸外用
凍結療法と併用するとさらに効果的である.保険適用あり.
Px処方例
サリチル酸絆創膏(スピール膏M薬) 疣贅の型に切り貼付し,2~5日ごとに取り換える
D局所免疫療法
SADBE(squaric acid dibutylester),DPCP(diphenylcyclopropenone)が用いられる.全身に及ぶ自家感作性皮膚炎,じん麻疹などに注意する.保険適用なし.