頻度 あまりみない(ハンセン病)
頻度 情報なし(皮膚結核,皮膚非結核性抗酸菌症)
治療のポイント
・皮膚抗酸菌感染症の治療は数か月~1年以上の長期に及ぶことが多い.
・皮膚結核の治療は肺結核治療に準じる.
・皮膚NTM症は耐性菌が生じないよう2剤以上の抗菌薬の併用を基本とする.
・ハンセン病は少菌型,多菌型で抗菌薬の投与期間が異なる.
◆病態と診断
A病態
1.皮膚結核
・Mycobacterium tuberculosisによる皮膚感染症である.感染様式により①外部からの感染(結核菌の皮膚への直接接種),②内部の結核病変から皮膚への連続的な散布(直接浸潤)や自己接種,③内臓の結核病変から血行性に散布,④結核疹の4つに分類される.
・病変部に結核菌を認める真性皮膚結核(皮膚腺病,尋常性狼瘡など)に対して,結核菌やその菌体成分へのアレルギー反応であり病巣部に結核菌を認めないものを結核疹(バザン硬結性紅斑など)と呼んでいる.
2.皮膚非結核性抗酸菌症(皮膚NTM症:cutaneous nontuberculous mycobacterial infections)
・結核菌とらい菌を除いた抗酸菌群が非結核性抗酸菌で,土壌,水中,植物など自然界に広く分布している.
・主に小外傷から感染するが,手術など医療手技を介する例もある.
・本症の起因菌として多いのはM. marinumで,魚を扱う仕事の人や熱帯魚飼育者にみられるため問診も重要である.その他,起因菌としてM. abscessus,M. chelonae,M. fortuitum,M. avium,M. ulceransなどが報告されている.
3.ハンセン病
・らい菌(M. leprae)による慢性抗酸菌感染症で乳幼児期に感染し,数年~数十年の潜伏期を有する.らい菌に対する宿主の免疫応答反応の差により少菌型,多菌型と病型が異なる.
・国内ではブラジル,ネパール
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