頻度 割合みる(ターナー症候群,MRKH症候群:出生5000人に1人)
頻度 あまりみない(副腎性器症候群)
頻度 あまりみない(総排泄腔遺残症)
治療のポイント
・性の選択や病態の説明の際に心理的なケア・サポートが必要である.
・Y染色体成分を含む性分化疾患は,性腺悪性化の予防的性腺摘出術を施行する.
◆病態と診断
A病態
・Y染色体がない場合,未分化生殖腺は卵巣,ミュラー管は子宮・腟の上1/3・卵管,尿生殖洞は腟下部・尿道・膀胱,総排泄腔ヒダは小陰唇に分化する.性分化疾患はこの分化過程の異常である.
・代表的な疾患は性染色体の数的・構造異常があるターナー症候群,子宮・腟中隔,子宮頸部無・低形成,子宮・腟を欠損しているMayer-Rokitansky-Küster-Hauser症候群,総排泄腔遺残症,陰核が肥大する副腎性器症候群,46XYの核型ではアンドロゲン不応症などがある.
・症状は外陰部の形態異常,原発性無月経,機能性子宮がある場合は子宮留血腫・腟血腫,子宮中隔は過多月経・習慣流産がみられる.
B診断
・問診,診察(視診,触診),超音波検査,MRI,CT,子宮鏡,子宮卵管造影などで性器形態を評価する.ホルモン値や染色体検査を行う.
・腎臓・尿路系の異常も合併するため,腎盂尿路造影検査も行う.
◆治療方針
A外科的治療
性器形態異常に対しては,形成術を行う.XY女性の性腺は悪性化のリスクが高いので性腺摘出術を行う.
B内科的治療
エストロゲンを分泌しない性分化疾患に関してはエストロゲン補充療法を行う.機能性子宮がある場合にはプロゲスチンの投与も行う.
1.骨端線閉鎖前のエストロゲン漸増療法
Px処方例
エストラジオール(エストラーナ薬)テープ 0.09mg/枚,0.18mg/枚,0.36mg/枚,0.72mg/枚の順に各6~12か月ごと 1回1枚 隔日貼付
2.エストロゲン・プロゲスチン療法
Px処方例 下