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ニュートピックス
・産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対して,フィブリノゲン製剤(乾燥人フィブリノゲン)の適応が拡大された.これに伴い「産科危機的出血への対応指針」も2022年版に更新された.
治療のポイント
・できるだけ早期に覚知する.オーバートリアージも許容する.
・資材・ルート・酸素を早期に確保し投入する.
・産科危機的出血を宣言し,コマンダーを設定し,集約的なチーム管理を行う.
・定期的にセミナー受講や院内シミュレーションを実施する.
◆病態と診断
・産科危機的出血は分娩20件に1件の割合で起こりうる妊産婦の死亡原因となりうる病態である.
・現在,分娩時(後)異常出血の診断基準はなく,SI(shock index:心拍数/収縮期血圧)が出血の程度を推定するために用いられている.
・SI:1を超えれば産科出血の発症を考慮する.1.5以上,産科DICスコア8点以上,あるいはフィブリノゲン150mg/dL未満を産科危機的出血とする.
・原因は弛緩出血が75%を占め,次いで分娩時外傷,血液凝固異常である.
・出血が始まると心拍数が上昇し,次いで血圧が低下する.しかし血圧が低下するまでに循環血漿量の1/4が失われるとされている.ショックの覚知は身体所見〔末梢皮膚の冷感・湿潤,橈骨動脈の拍動微弱,頻脈,毛細血管再充満時間(CRT:capillary refill time)が2秒以上〕も参考となる.
◆治療方針
A発症予防
胎児娩出後の積極的な分娩第3期の管理としてアンドリュース法(Andrews maneuver)などによる胎盤の早期娩出とオキシトシンの持続投与が有用と報告されている.
B出血が多い場合
出血が多いと判断されれば,輪状マッサージや双手圧迫などを行いつつ早期に人員を招集する.さらにモニターの装着や輸血ルートの確保,酸素投与などを行いつつ初期輸液を行いオキシトシンを
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