A出生前保健指導
ハイリスク妊婦,特定妊婦ともに要支援として把握し,出生後に円滑な対応ができるよう助産師,ソーシャルワーカー,薬剤師,保健師など多職種で情報共有しておく.
B出生時
新生児蘇生法に沿い,なるべく母の傍で蘇生する.低体温は呼吸休止や低血糖を引き起こすため,体温維持をはかりながら観察のもと早期母子接触を行う.生後2時間ほどパルスオキシメーター装着で呼吸状態安定を確認したあとにコット移床する.
C出生後
日齢1までに行う初回診察で,外表奇形以外に口腔内奇形(軟口蓋裂など)や鎖骨骨折の有無なども確認する.臍帯血pH<7.25の児はその後も排泄や哺乳に留意する.母子同室開始後も児に気になる症状が生じる際は,随時相談するよう説明しておく.
D退院前
日齢4~7に退院前診察をする.体重増加に転じていない・ビリルビン値がピークアウトしていない・初産の場合は,退院後早い時期の外来フォローを相談する.
E母子同室と母乳育児の推進
産後早期からの頻回授乳が母乳分泌には重要となるため母子同室が望ましいが,分娩の体力消耗から未回復の母もいるため,母の希望に配慮し柔軟に対応する.授乳中は適宜見守り,手技修正など助言する.
また,外来や外出先での複数の授乳室設置や災害時の母子避難所確保など,社会全体の意識向上も求められている.
Fルーチン管理
1.黄疸
経皮的黄疸計で連日測定する.生後48時間以内に生じる早発黄疸は,皮膚黄染を見極めにくいうえに溶血性黄疸など光線療法以外のすみやかな加療を要することがあるため,1日2~3回の測定や採血併用など随時行う.病的上昇(>0.2mg/時,半日で>2.4mg)が続く場合は,すみやかに新生児集中治療室(NICU)入院を検討する.
2.新生児スクリーニング
a.代謝
日齢4~6に行う.近年,並行してオプショナルスクリーニングを実施する施設が増えている.対象疾患は脊髄性筋