A新生児の呼吸生理
新生児では肺のガス交換面積が成人の1/20,機能的残気量(FRC:functional residual capacity)も小さい一方,酸素消費量は成人の2倍である.柔く狭い気道により気道抵抗は高く,肺サーファクタント不足,肺水吸収遅延により肺組織の弾性抵抗も高い.また肋骨や横隔膜の水平な走行,柔らかい胸郭はFRC,1回換気量の保持には不利である.
新生児では呼吸中枢は成熟過程であり,相対的にHering-Breuer反射による呼吸リズム形成が重要だが,特に早産児では呼気から吸気への反射が未熟で呼気位で息止めするような無呼吸が散見される.このとき低O2 応答の未熟性(無呼吸の遷延),特殊性(一過性の換気量増大後の低換気)などから低O2 血症からの回復が遅れる.
このような特徴から早産児や病的正期産児では,ガス交換の異常や呼吸仕事量の増大をきたすため,酸素投与や呼吸補助