治療のポイント
・発症の時期と母体リスクや児の環境により原因菌や併発症を予測する.
・新生児は短時間で重症化しやすいため,疑った時点で血液培養や髄液培養などを採取し,できるだけ早く経験的治療を開始する.
◆病態と診断
A病態
・新生児敗血症(NS)は,哺乳不良やなんとなく元気がないなどの非特異的症状で発症することが多い.
・新生児(特に早産児)では,成人と異なり全身性炎症反応症候群や臓器障害を評価する明確な指標がない.
・発症時期が生後72時間未満を早発型(EONS:early-onset NS),それ以降を遅発型(LONS:late-onset NS)と分類する.
・EONSは肺炎を併発しやすく,LONSは髄膜炎や尿路感染症(UTI)を併発しやすい.通常,生後72時間未満にUTIを発症することはない.
・起炎菌:EONSでは,B群溶連菌(GBS)と大腸菌が大半を占めるが,リステリア菌なども考慮する.LON